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【モンテッソーリ教育】大切な子どもの「敏感期」に親がしてあげられること

モンテッソーリ教育ってなに?

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近年メディアで取り上げられることの多くなったモンテッソーリ教育。将棋の藤井五段や、facebookの創業者マーク・ザッカーバーグGoogleの創業メンバーのラリー・ペイジセルゲイ・ブリンなど多くの著名人がモンテッソーリ教育を受けていたと言われています。

こう聞くと、恐ろしい教育法だ…子どもが変人になってしまう!と思ってしまうかもしれませんがそんなことはありません。モンテッソーリ教育は、子ども自身が自らを成長させ、社会を生きていく力を身につけるための教育法と言われています。

モンテッソーリ教育の考え方

モンテッソーリ教育は、マリア・モンテッソーリという方が考案した教育法です。当時、イタリアでは子どもには生きる力がないから、大人が代わりにやってあげなければいけない。という考え方が主流でした。

マリア・モンテッソーリは、子どもは生まれながらにして、自分自身を成長させ、発達させる力をもっている。したがって保護者や教師といった大人は、子どもの成長要求をくみ取らなければならない。子どもの自由を保証し、自発的な活動を助ける役割を果たすべきだ」という考えを持っていました。

子どもが自ら成長をするようになる教育法。そしてその中で大切なのが、今回お話する敏感期だと言われています。

敏感期とは何か?

敏感期とは元々、ド・フリークスというオランダの生物学者が生物学の用語として使っていた言葉です。生物は、成長の過程で同じ行動を繰り返し発達をしていくことから、本能的に自分の能力を成長させるための行動を取っているのではないか?という考え方をマリア・モンテッソーリが幼少期の子どもにも同じことが言えるのではないか?と研究をしました。

その結果、人間の子どもも自分の能力を発達させるために本能的に何かに興味を持つ時期がある。と言う発見をしました。赤ちゃんが、ティッシュにイタズラをしてしまったり、地面に落ちているゴミを拾って食べちゃった…みたいな経験ありませんか?これが敏感期に当たります。

実は、ティッシュにイタズラをするのもゴミを拾うのも、

自らを成長させるのに、欠かせない行動なんです。

 

そして、敏感期には6つの種類があると言われています。

 

敏感期にはどんな種類があるのか?

敏感期には、

・【言語】の敏感期

・【秩序】の敏感期

・【感覚】の敏感期

・【運動】の敏感期

・【数】の敏感期

・【文化】の敏感期

 

の6つがあります。この記事では

①それぞれの敏感期の特徴

②敏感期になる大まかな時期

③敏感期の間に子どもはどんな行動を取るのか?

④親はそんな子どもにどんなサポートをしてあげれば良いのか?

をお伝えしていきます。

 

【言語】の敏感期 

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言語の敏感期とは、子どもが言葉に興味を持つ時期をいいます。うちの子どもはなかなか話さないの…と心配するお母さんの話をよく聞きますが、言語の敏感期は赤ちゃんが生まれる前から始まっているのです。

言語の敏感期は赤ちゃんが喋るようになるまでの話し言葉の敏感期と、

文字を書けるようになるまでの文字に関する敏感期の2つに分けられます。

【言語】の敏感期が起きる時期と子どもの変化

話しことばの敏感期は、7ヶ月の胎児期~3歳前後までの期間が言われます。お腹の中にいる赤ちゃんもお母さんの声を聞き分けている。ということを聞いたこともあるのではないでしょうか?この時期はあらゆる国の言語を聞き取り吸収をしていくと言われています。

文字に対する敏感期は、3歳半~5歳半と言われています。書き言葉の文字に興味を持ち、自分の名前や、お母さんの名前。簡単な手紙などを書いていく時期になります。

【言語】の敏感期の間、子どもには何をしてあげれば良いのか?

話し言葉の敏感期はまず、子どもに色々な言葉を聞かせてあげる必要があります。なかなか話さない子どもにも、ほら話してみて!と言わずにこちらから話しかけてあげることを繰り返してあげて下さい。

ばいきんまん」→「びーかんかん」

「すぱげってぃ」→「すぱべっぴ」

など子どもが話す言葉を間違えてしまった場合にも、「そうだね〜バイキンマンだね〜」と間違いを指摘せず、正しい発音を教えてあげることで、次のチャレンジに繋がると言われています。

文字に関する敏感期の場合には、子どもが何かを書きたい!と思った時に直ぐにかけるように紙とペンを手が届く時期に置いてあげたり、文字が絵で分かるような本を買ってあげる。というのがおすすめです。

【秩序】の敏感期(6カ月~3歳前後)

秩序の敏感期はイヤイヤ期とも言われています。何をするにもイヤイヤ〜とワガママを言い、私の何が悪いんだろう…この子はわがままに育ってしまうのだろうか?と心配になる時期です。

イヤイヤ期が分かりやすくまとめられている動画がありますので良かったらご覧になって下さい。

www.youtube.com

ママの出産のため、パパと息子が1ヶ月の二人暮らし。

息子が

起きたくない!

ご飯を食べたくない!

お出かけしたくない!

公園から帰りたくない!

ハンバーグ食べたくない!

お片付けしたくない!

歯を磨きたくない!

とイヤイヤ駄々をこねる中で、ママの育児ノートがでてきます。

 

起きたくない! → 水を飲ませてあげる

ご飯を食べたくない! → 魚をほぐして乗せてあげる

お出かけしたくない! → 鍵を閉めさせてあげる

公園から帰りたくない! → シャボン玉をやらせてあげる

ハンバーグ食べたくない! → 小さいハンバーグを2つ作ってあげる

お片付けしたくない! → これはどこ?と聞いてあげる

歯を磨きたくない! → 「お口あーんして下さい」と言ってあげる

こういった子どもながらのルールに沿ってあげると、言うことを聞いてくれて、大きいハンバーグも食べれるようになった!と言う子どもの成長が描かれた動画です。

 【秩序】の敏感期が起きる時期と子どもの変化

秩序の敏感期は、6カ月~3歳前後になりますが、特に1歳半~2歳半頃にとても顕著に現れます。「場所」「順序」「位置」「やり方」「誰のもの」などにとてもこだわり、そのとおりにならないと駄々をこねる。というのが変化になります。

ですが、この変化は抽象的な思考ができるようになるための基礎づくりの最中なのだそうです。決まった行動をすることによる安心感が、その後の自分のクリエイティブな行動に影響をするそうです。

 【秩序】の敏感期の間、子どもには何をしてあげれば良いのか?

子どもにこまめにどうしたいの?と確認をすることや、次はなんだっけ?と聞いてあげること。鍵は自分で閉めたい!バスを出る時のボタンは自分が押したい!と言うような要望を本人に出来るだけ叶えてあげることが大切です。

日々のルーティンを子どもと確認し、それをサポートしてあげるのが親の役目です。

【感覚】の敏感期

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感覚の敏感期とは、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」の五感を始めとした感覚を成長させる時期と言われています。公園で子どもが砂を触ったり、ティッシュを出してイタズラしたり、地面に落ちているゴミを拾って食べてしまったり。とそんな行動も実は、五感を成長させるための行動なのです。

 【感覚】の敏感期が起きる時期と子どもの変化

0歳~3歳は、感覚的印象の探求、溜め込みの時期と言われています。これは、物を見たい。触りたい。食べたい。と言った行動を取る時期のことを言い、いわゆるイタズラの時期。と言うものです。


3歳~6歳は、感覚的印象の整理、分類、秩序化を行う時期と言われています。この時期は、物を見ると言う時期から更に進み、そのものが何なのかを理解し、分類したい。と言う時期になります。

子どもが、「空には雲が飛んでいて、鳥さんも居るの」と言ったり、「首が長いのがキリンさん。鼻が長いのがゾウさん」と言うように見たものを学習したい。と言う欲望が出てくる時期のことを指します。

「すべすべ」「ふわふわ」『さらさら』『ざらざら』『ゴツゴツ』など感覚の分類もこの時期に行われ、実体験を持って何かを習得することがこの時期には大切になってきます。同じ色でも見分けられるようになったり、一度見た景色を覚えていたりと言う子どもながらの才能が発揮される時期でもあります。

絶対音感などもこの時期にしか身につかない。と言われています。

【感覚】の敏感期の間、子どもには何をしてあげれば良いのか?

この時期に芸術作品を見せてあげると子どもの芸術性が上がっていきます。

音楽を聞かせてあげると、絶対音感が身についたり

美味しいご飯を食べさせてあげると味覚が上達していきます。

この時期に多感な子どもたちに色々なものを見せて、聞かせて、食べさせてあげることが才能を発揮させるきっかけになります。

 【運動】の敏感期

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子どもは、ずーっと動き回ります。寝返りを覚えるとあっちへコロコロ、こっちへコロコロ。ハイハイを覚えるとどこまでいくの〜と思ったり、つかまり立ちを覚えたり、とすごいスピードで成長していきます。これが運動の敏感期。子どもは一生懸命身体を使うことを覚えていきます。

 【運動】の敏感期が起きる時期と子どもの変化

0歳~4歳半ぐらいが、運動の敏感期と言われています。

意識して筋肉を使い、身体を大きく動かす。

腕や手を動かして、筋肉を鍛える。

3歳を超えてくると、細かい指の動きを使う。

と言うように進化していきます。朝から1日中公園を走り回り遊んでいる子どもを見ると、どれだけの体力がこの小さい体に入っているんだろう…と思うかもしれませんが、身体も小さいので使うエネルギーも小さくなります。一度エネルギーを使い切って寝ることで、エネルギーの容量が増えていき、おとなになった時に強い体を身につけることができます。

筋肉を鍛えたり、器用さを身につけるのもこの時期と言われているので、子どもの才能を開花するためにも、子どもの変化に沿って手助けをしてあげたいです。

 【運動】の敏感期の間、子どもには何をしてあげれば良いのか?

大きな運動をしたい時期はとにかく走り回りますので、分かりやすいと思います。公園で遊んでいる時も、疲れて帰りたがるまで一緒にいてあげること。危ない所に登ろうとしていた場合は、止めるのではなく「あっちに登ろうね」と別の場所を案内してあげるなど、子どもの変化を見て子どもの気が済むまで一緒に楽しんであげて下さい

 

腕を動かしたい時期に関しては、物を運ぶ、持ち上げると言う行動をするのが1番の成長につながります。普段お母さんがやっていることを子どももやりたがるので、お手伝いを手伝ってもらい、一緒にやってあげてやってくれてありがとう。とお礼を言うことで子どもが成長してきます。窓の拭き掃除や、お風呂掃除、ゴミ出しなどのお手伝いをしてもらうのも一つの手です。

 

生物は、指の成長をすることで脳みそが成長すると言われています。猿のように脳みそが小さい動物でも、手が器用だととても頭がよく成長します。逆に、クジラのように脳みそが大きい動物でも手が器用でないと脳みそは発達しません。子どもの指先の成長は最優先です。何か細かい作業を始めたら一切邪魔をせず、見守ってあげて下さい。

 【数】の敏感期

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秩序の敏感期の先にあると言われている、数の敏感期では子どもが場所や順序だけでなく数字にこだわりを見せ始めます。こっちには何個置く。と言ったこだわりや、何番目にはこれをする。と言うようなこだわりをみせ始め、めんどくさい・・・と思うこともしばしば。

ですが、この敏感期は子どもの論理的思考を身につけるのにとても役に立ちます。

【数】の敏感期が起きる時期と子どもの変化

4歳~6歳になるととにかく数字を数え始める時期が来ます。お風呂の中で数を数えたり、おもちゃの数を数えたりというような変化が現れます。「ママ、9つの色があるブロックが3つずつあるから、全部で27個だよ!」など掛け算の考え方なども覚えてしまうので、うちの子天才かも…!と思うこともしばしばです。

【数】の敏感期の間、子どもには何をしてあげれば良いのか?

数の敏感期では、分類をして数字の判断をしたがるため、色の違ったおもちゃや箱などを子どもに与えてあげるのが良いと思います。

興味を持っているおもちゃに対して、赤はいくつ〜?赤で四角はいくつ〜?などと質問をしてあげて、正解するまで粘り強く一緒に話をしてあげると良いでしょう。

【文化】の敏感期

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文化の敏感期は、感覚の敏感期で得た五感を元に、秩序・数・言語などの情報を元に文化を理解しようとする期間の事を指します。自分の身につけた感性などを元に友達と遊び始めるのがこの時期です。

友達とおもちゃを取り合って喧嘩をしたり、逆に友達におもちゃを譲ってあげたりと言う経験の中でモラルや道徳心を身に着けていくのもこの時期です。

【文化】の敏感期が起きる時期と子どもの変化

6歳〜9歳になると友達もできて、いろいろな話を家で聞かせてくれるようになります。「幼稚園の●●君ってこんなこと言うんだよ。●●ちゃんそれで泣いちゃって。酷いと思わない?」など、この間までこの子赤ちゃんだったのに…と、突然大人っぽくなって寂しく感じるかもしれません。

【文化】の敏感期の間、子どもには何をしてあげれば良いのか?

公園デビューや、幼稚園・保育園などによって出来る友達と遊ぶ機会を作ってあげて下さい。文化の敏感期は子ども同士で遊ぶことで色々な経験をすることができます。

近所のおばさんに挨拶をする。電車に乗せてあげる。近所の犬と挨拶をするなど、色々なものと関わる時間を作ってあげて下さい。

 

敏感期について理解して子どもの成長に寄り添ってあげて下さい!

子どもは生まれながらにして、自分自身を成長させ、発達させる力をもっています。あなたの赤ちゃんも気がついたら、どんどん大人に近づいていきます。

 

モンテッソーリ教育の敏感期を知っていると、子どもがイタズラをした時も、「あ、成長してる!」と嬉しい気持ちになることができます。

 

もっともっと、モンテッソーリ教育と言う考え方が広がれば嬉しいです!

少しでも参考になった方は、シェアをして、他のお母さんたちに届けて欲しいです!

 

長い記事を読んでいただいてありがとうございました!